多分6年くらい前の話になります。
私は夜、煙草が吸いたくて、閉店間際のカフェバーに入りました。
飲み物を注文し、テラス(喫煙席)に行くと、そこには20代くらいの男の子3人と女の子1人のグループだけがいました。
店員さんは閉店の準備を始めていて、灰皿は彼らの使っているものひとつしかなかったので、
私は彼らに、「一緒に煙草吸ってもいい?」と話しかけました。
「いいっすよ。」
彼らは快く灰皿を私の方に寄せてくれました。
女の子は髪の長い色白美人で、静かでいい子そうだったので、
私が彼女に向かって、
「モテモテだねぇ、男3人に囲まれて。」
と言うと、彼女は目を白黒させながら、
「彼氏です。」
と左側のいかにも男らしそうで格好の良い男の子を指し示しました。
「そうなんだ。結婚するの?」と私が男の子に問うと、彼は誇らしげでした。
「御徒町に行けば、ダイヤモンドの指輪が6万円くらい(当時)で買えるよ。」
と私が言うと、彼は即座に、
「やだ!」
と答えたので私は驚きました。
「もっと高いの買ってあげたいの?」
と尋ねると、
「うん。」
と言います。
そうか、男性の愛の形にはこういうものもあるんだな、と私が学んだ瞬間でした。
自分の自慢の綺麗で性格の良い彼女には、高価なプレゼントを買ってあげたい、ということなのでしょう。