私がクラシックバレエ講師になる夢を諦めた日
にあった素敵な出来事について書きます。
2018年の年末、コロナ前のことです。
クリスマスの2~3週間前だったと思います。
私は一人、当時はまだ区切られた喫煙席があったビアバーに入りました。
「あ~叱られちゃったな。もう辞めようかな。」と思案しつつ、おつまみを食べながらビールを飲み、煙草を吸っていました。
席はいくつかあり、一番奥の席に私よりも年上と思われる白人の紳士が私と同じように一人静かに過ごしていました。
その紳士は私よりも先に帰りました。
そして、私がお会計をしようとしてウェイターさんを呼ぶと、ウェイターさんは紳士がいた席を指し示し、
「お会計は結構です。先ほどあちらの席に座っていらした男性の方にお支払い頂いておりますので・・・
メリークリスマス、と。」
「え~!」
「またお越しくださいませ。」
びっくりしました。
そんな粋なはからいをされたのは初めてでした。
クリスマス前に一人でビールを飲みながら煙草を吸っていた私を、可哀そうに思ったのかもしれません。
失恋でもしたのではないかと推測したのかもしれません。私はただ、バレエを辞めるかどうしようか考えていただけだったのですが。
でも、落ち込んでいたのは事実です。
その紳士の素敵なはからいのおかげで、元気が出ました。
よく、ドラマなどで、「あちらのお客様からです。」と、お互いにまだ店内にいるうちに飲み物をおごったりするシーンがありますが、その場合はその相手と仲良くなりたいという下心からです。
でも、私のお会計を先に済ませてくれて、何も言わずに先に店を出たその紳士の行いは、純粋な慈善行為です。
日本人の男性で、そんなことをする方はいらっしゃるでしょうか?
もし、落ち込んでいる女性を見かけたら、こんな粋なはからいをされてみてはいかがでしょうか?